
電力自由化によって「実量契約」や「スマート契約」という言葉を耳にする機会が増えました。従来からある「アンペア契約」とは何が違うのか、どちらを選べば電気代を節約できるのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。
実量契約とアンペア契約の最も大きな違いは、基本料金の決まり方です。アンペア契約は契約時に決めたアンペア数で基本料金が固定されますが、実量契約は過去の電気使用実績に応じて基本料金が毎月変動します。それぞれにメリット・デメリットがあり、自分の生活スタイルに合わせて選ぶことが大切です。
この記事では、実量契約とアンペア契約の仕組みや違いを詳しく解説します。どちらの契約が向いているかの判断基準や、実量契約で電気代を節約するコツもあわせて紹介しますので、契約方法の見直しを検討している人はぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
実量契約とアンペア契約の違いとは?

電気の契約方法には、これまで一般的だった「アンペア契約」と、電力自由化後に登場した「実量契約(スマート契約)」の2種類があります。最も大きな違いは、基本料金の決まり方です。
まずはそれぞれの基本的な特徴を解説していきます。
実量契約(スマート契約)の基本的な特徴
実量契約は、過去1年間で最も多くの電気を使った30分間の使用量(ピーク電力)をもとに基本料金が決まる仕組みです。東京電力が電力自由化後に「スマート契約」として一般家庭向けに初めて導入したもので、実は法人向けの契約では以前から使われていました。

スマートメーターが30分ごとに電気の使用量を計測しており、その月と過去11カ月の合計12カ月間のなかで、最も電気を多く使った30分間の数値が自動的に基本料金に反映されます。
ある月にたまたま多くの家電を同時に使ってピーク電力が跳ね上がると、その後11カ月間は高い基本料金が続いてしまうことになります。
特徴的なのは契約上の上限がない点です。アンペア契約のようにブレーカーが落ちることはありませんが、好きなだけ電気を使えば使うほど基本料金が高くなる仕組みになっています。
アンペア契約の基本的な特徴
アンペア契約は、契約時に30A、40A、60Aなどあらかじめアンペア数を決めて契約する従来からの方式です。契約したアンペア数に応じて基本料金が決まり、契約を変更しない限り毎月同じ金額が請求されます。

契約アンペア数を超えて電気を使うと、アンペアブレーカーが自動的に落ちて家全体の電気が止まります。実際、暖房や調理器具を複数使っているときに電気ケトルをつけたらブレーカーが落ちた、という経験がある人も多いのではないでしょうか。
基本料金部分は契約アンペアを変更しない限り固定です。電気の使い方が変わっても基本料金は変わらないため、料金体系がシンプルで分かりやすいのが特徴といえます。
実量契約(スマート契約)とアンペア契約の主な違いを比較
実量契約とアンペア契約の違いを整理すると、以下のようになります。
項目 | 実量契約(スマート契約) | アンペア契約 |
---|---|---|
基本料金の決まり方 | 過去1年間のピーク電力で毎月変動 | 契約アンペア数で固定 |
電気の使用上限 | なし(好きなだけ使える) | あり(契約アンペアまで) |
ブレーカーが落ちるか | 落ちない | 上限を超えると落ちる |
料金の変動 | 使い方次第で増減する | 基本料金は固定 |
必要な設備 | スマートメーター必須 | 従来のメーターで可 |
最大の違いは基本料金が固定か変動かという点です。アンペア契約は契約した瞬間に基本料金が決まりますが、実量契約は実際の使用状況によって毎月基本料金が変わります。
また、実量契約では物理的な上限がないため、ブレーカーが落ちる心配はありません。ただし、これは好きなだけ電気を使っても大丈夫という意味ではなく、使えば使うほど翌月以降の基本料金に跳ね返ってくるということです。使い方によっては電気代を節約できる可能性がある反面、うっかり多く使ってしまうと1年間高い料金を払い続けることになります。
実量契約(スマート契約)の仕組みを詳しく解説

実量契約の基本的な特徴が分かったところで、実際にどのような仕組みで料金が決まるのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
ポイントになるのは「ピーク電力」という考え方です。一見複雑に思えるかもしれませんが、仕組みを理解すれば電気代の節約にも活かせるはずです。
基本料金の決定方法
実量契約の基本料金は、スマートメーターで計測した過去1年間(その月と直前の11カ月)の各月のピーク電力のうち、最も大きい値をもとに決定されます。
具体的には、毎月30分ごとに計測される電気使用量のなかから、その月で最も多く電気を使った30分間の数値がその月のピーク電力となります。そして過去12カ月分のピーク電力を比較して、最も大きかった数値に料金単価を掛けることで基本料金が算出される仕組みです。
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契約して1年未満の場合は、契約日から請求月までのピーク電力が基準になります。たとえば契約開始から3カ月目であれば、その3カ月間のピーク電力のなかで最も大きい値が適用されるということです。1年経過すると、常に直近12カ月間のピーク電力で判定されるようになります。
ピーク電力の計算方法
ピーク電力は、スマートメーターが30分ごとに計測した電気使用量の平均値から算出されます。30分という時間で区切られているため、瞬間的に大量の電気を使ったとしても、その後何も使わなければ平均値としては落ち着くわけです。
たとえば、浴室乾燥機と電子レンジと電気ケトルを同時に使ったとしても、その後の20分間何も家電を使わなければ、30分間の平均値としては数値が抑えられます。
「ブレーカーがよく落ちるから実量契約だと高くなりそう」と心配する人もいるかもしれませんが、瞬間風速的な使い方であれば必ずしもピーク電力が跳ね上がるわけではありません。
過去1年間のピーク電力が影響する理由
なぜ過去1年間という期間が設定されているかというと、季節による電気使用量の変動を考慮するためです。夏場のエアコンや冬場の暖房など、季節によって電気の使い方は大きく変わります。
たとえば2025年1月のある日に暖房をフル稼働させてピーク電力が高くなった場合、その数値は2026年1月まで影響します。つまり、一度記録したピーク電力は丸々1年間、基本料金の判定材料として残り続けるということです。うっかり多くの家電を同時に使ってしまうと、その後長期間にわたって高い基本料金を払い続けることになるため、注意が必要になります。
実量契約の料金計算例
実際にどのように契約電力が決まるのか、具体例で見ていきましょう。以下は、ある家庭の1年間のピーク電力の推移例です。
月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当月の最大電力(kW) | 60 | 63 | 65 | 59 | 57 | 57 | 61 | 60 | 58 | 56 | 57 | 58 |
過去の最大値(kW) | – | 60 | 63 | 65 | 65 | 65 | 65 | 65 | 65 | 65 | 65 | 65 |
契約電力(kW) | 60 | 63 | 65 | 65 | 65 | 65 | 65 | 65 | 65 | 65 | 65 | 65 |
この例では、9月に記録した65kWという数値が最も大きいため、10月以降も65kWが契約電力として適用され続けています。仮に9月のピーク電力を60kWに抑えられていれば、その後の基本料金も安くなっていたということです。
契約開始の7月は当月の数値60がそのまま契約電力になり、8月は7月と8月を比較して大きい方の63kW、9月は過去3カ月で最大の65kWが適用されます。このように、常に過去の最大値と比較されながら契約電力が決まっていくわけです。翌年の10月になると9月のデータが外れるため、もしそれ以降のピーク電力が65kWを超えていなければ、契約電力は下がることになります。
実量契約を採用している電力会社
実量契約は、主に大手電力会社の一部のプランで採用されています。東京電力が一般家庭向けに初めて導入したあと、他の電力会社も追従する形で実量制のプランを提供し始めました。
現在、実量契約を採用している主な電力会社は以下の通りです。
電力会社 | 主な実量制プラン |
---|---|
東京電力エナジーパートナー | プレミアムプラン、スマートライフプラン、夜トクプラン |
東北電力 | よりそう+シーズン&タイム、よりそう+ナイト8/10/12など |
関西電力 | はぴeタイム、eスマート10、はぴeプラス |
九州電力 | 電化でナイト・セレクト21/22/23 |
北海道電力 | エネとくスマートプラン |
四国電力 | でんかeプラン、でんかeマンションプラン |
Looopでんき | スマートタイムONE |
これらのプランの多くは、夜間の電力量料金が割安になるオール電化向けのプランや、時間帯によって料金が変わるプランと組み合わされています。夜間蓄熱式機器やエコキュートなどを使っている家庭では、ピーク電力が比較的低く抑えられるため、実量契約との相性が良いとされています。
なお、新電力のなかには「基本料金0円」を謳っているところもあります。これらは実質的に実量制と似た仕組みで、使った分だけ電気代を支払う形になっています。代表的なのはLooopでんきやあしたでんき、楽天でんきなどですが、契約を検討する際は各社の料金体系をしっかり比較することをおすすめします。
アンペア契約の仕組みを詳しく解説

実量契約の仕組みを理解したところで、今度は従来からあるアンペア契約について詳しく見ていきましょう。
多くの家庭が現在も利用しているアンペア契約は、シンプルで分かりやすい料金体系が特徴です。ただし、契約アンペアを超えて電気を使うとブレーカーが落ちてしまうという制約もあります。
契約アンペア数と基本料金の関係
アンペア契約では、契約するアンペア数によって基本料金が決まります。一般的な家庭では30A、40A、50A、60Aのいずれかで契約していることが多く、アンペア数が大きいほど基本料金も高くなります。
たとえば東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bプランの場合、下記の表の通り10A増えるごとに基本料金が上がっていく仕組みです。契約アンペア数を変更しない限り、この基本料金は毎月固定で請求されます。
契約アンペア | 基本料金の目安(月額) |
---|---|
30A | 935.25円 |
40A | 1,247.00円 |
50A | 1,558.75円 |
60A | 1,870.50円 |
自宅でどのくらいのアンペア数が必要かは、同時に使う可能性のある家電の消費電力を合計して判断するとよいでしょう。
エアコンやドライヤー、電子レンジなど、消費電力の大きい家電を同時に使う機会が多ければ、大きめのアンペア数で契約する必要があるということです。
ブレーカーが落ちる仕組み
アンペア契約では、契約したアンペア数を超えて電気を使うとアンペアブレーカーが自動的に落ちます。これは物理的な上限が設定されているためで、安全装置としての役割も果たしています。
たとえば40Aで契約している家庭で、エアコン(10A)、電子レンジ(15A)、ドライヤー(12A)、電気ケトル(10A)を同時に使うと合計47Aになるため、ブレーカーが落ちてしまいます。実際、暖房や調理中に電気ケトルのスイッチを入れた瞬間、家全体の電気が突然消えたという経験がある人も多いのではないでしょうか。
ブレーカーが落ちること自体は不便ですが、ある意味では「使いすぎていますよ」という電力会社からのサインでもありました。頻繁にブレーカーが落ちる場合は、契約アンペアを上げるか、家電の使い方を見直す必要があるということです。契約アンペアを上げれば基本料金は高くなりますが、快適に電気を使えるようになります。
アンペア契約の料金計算例
アンペア契約の電気料金は、「基本料金+電力量料金+燃料費調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金」で計算されます。基本料金は契約アンペアで決まり、電力量料金は使った電気の量に応じて変動する部分です。
具体的な計算例を見てみましょう。40Aで契約している家庭が、ある月に300kWh使用したとします。
アンペア契約の電気料金例
- 基本料金:1,247円(40A)
- 電力量料金:10,128円(300kWh分)
- 燃料費調整額:-2,970円(2025年9月の場合)
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金:約1,200円(3.98円×300kWh)
この場合、合計で約9,600円程度の電気代になります。翌月に400kWh使えば電力量料金が増えて合計額も上がりますが、基本料金の1,247円は変わりません。これがアンペア契約の分かりやすさです。
実量契約とアンペア契約のメリット・デメリット比較

どちらの契約を選ぶべきか判断するには、それぞれのメリットとデメリットをしっかり理解しておく必要があります。
実量契約は電気代を節約できる可能性がある一方、使い方を間違えると逆に高くなるリスクもあります。アンペア契約はシンプルで分かりやすいですが、ブレーカーが落ちるという制約があります。自分の生活スタイルや家族構成、電気の使い方に合わせて、どちらが適しているか考えてみましょう。
実量契約のメリット・デメリット
実量契約のメリット・デメリットは主に以下の通り。
メリット | デメリット |
---|---|
・電気の使い方次第で基本料金を安くできる ・ブレーカーが落ちる心配がない ・電気使用量のコントロールの知識が増える ・スマートメーターで使用状況を確認できる | ・ピーク電力が上がると11カ月間割高になる ・常にピーク電力を意識する必要がある ・無意識に多く使うと料金が跳ね上がる ・料金の見通しが立てにくい |
実量契約の最大のメリットは、電気の使い方次第で基本料金を安くできる可能性がある点です。契約アンペアが必要以上に大きくなっている人、つまり普段からブレーカーが落ちることなく余裕を持って契約している人は、実量契約に切り替えることで基本料金が下がる可能性があります。
もう一つの大きなメリットは、ブレーカーが落ちる心配がないことです。毎年、冷暖房をフル稼働する時期にブレーカーが落ちやすいという悩みを抱えている人にとっては、魅力といえるでしょう。
一方でデメリットとして最も注意すべきなのは、一度でもピーク電力を大幅に更新してしまうと、その後11カ月間ずっと高い基本料金を払い続けることになる点です。
たとえば友人や親戚が大勢泊まりに来て、その日だけ一時的に電気の使用量が跳ね上がった場合でも、その数値が基準になってしまいます。
また、頻繁にブレーカーが落ちる人、つまり多くの家電を同時に使う機会が多い人は、実量契約にすると逆に基本料金が高くなってしまう危険性があります。常にピーク電力を気にしながら生活しなければならないため、それ自体がストレスになる可能性もあるでしょう。
アンペア契約のメリット・デメリット
アンペア契約のメリット・デメリットは主に以下の通り。
メリット | デメリット |
---|---|
・料金体系がシンプルで分かりやすい ・基本料金が固定で見通しが立てやすい ・ピーク電力を気にする必要がない ・契約アンペアの範囲内で自由に使える | ・契約アンペアを超えるとブレーカーが落ちる ・必要以上に大きい契約だと無駄な基本料金を払う ・使用実績が料金に反映されない |
アンペア契約の最大のメリットは、料金体系がシンプルで分かりやすい点です。契約した時点で基本料金が決まり、契約を変更しない限り毎月同じ金額が請求されるため、電気代の見通しが立てやすくなります。
また、ピーク電力を気にする必要がないのも大きなメリットです。契約アンペアの範囲内であれば、好きなタイミングで好きなだけ家電を使えます。
デメリットとしては、契約アンペアを超えて電気を使うとブレーカーが落ちる点が挙げられます。複数の家電を同時に使うことが多い家庭では、場合によってはブレーカーが落ちてしまう可能性があります。
また、必要以上に大きな契約アンペアにしている場合、実際には使っていない容量分の基本料金も毎月支払い続けることになります。たとえば60Aで契約しているのに実際は40A程度しか使っていない場合、その差額分が無駄になっているということです。
基本料金が高いと感じた際は、契約アンペア数が必要以上に大きくないか確認してみましょう。
実量契約とアンペア契約、どちらを選ぶべき?

それぞれの特徴やメリット・デメリットが分かったところで、実際にどちらを選べばよいのか判断に迷う人も多いでしょう。
結論からいうと、電気の使い方や生活スタイルによって向き不向きがあります。ここでは、それぞれの契約が向いている人の特徴を整理していきます。
実量契約が向いている人の特徴
実量契約が向いているのは以下のような人です。
実量契約が向いている人の特徴
- 現在の契約アンペアに余裕があり、ブレーカーが落ちたことがほとんどない
- 家電を使う時間帯を意識的にコントロールできる
- エコキュートなどのオール電化設備を使っている
- 一人暮らしや日中不在が多く、電気の使用量が限定的
実量契約が向いているのは、契約アンペアが必要以上に大きく、普段ブレーカーが落ちることがない人です。たとえば60Aで契約しているのに、実際には40A程度しか使っていないような場合、実量契約に切り替えることで基本料金を下げられる可能性があります。
また、消費電力の高い家電を使う時間帯を意識的にずらせる人も実量契約に向いています。洗濯機を回している間は電子レンジを使わない、ドライヤーとエアコンの使用時間をずらすなど、家電の使い方を工夫できる人であれば、ピーク電力を抑えて電気代を節約できるでしょう。
エコキュートや夜間蓄熱式機器などのオール電化設備がある家庭も、実量契約との相性が良いとされています。これらの設備は夜間に電気を使うため、昼間のピーク電力が比較的低い水準に収まりやすいという特徴があります。
こういった特徴に当てはまる人は、実量契約を検討する価値があります。
アンペア契約が向いている人の特徴
アンペア契約が向いているのは以下のような人です。
アンペア契約が向いている人の特徴
- 複数の家電を同時に使うことが多く、ブレーカーが落ちやすい
- 家族が多く、電気の使い方を細かく管理するのが難しい
- シンプルで分かりやすい料金体系を重視する
- ピーク電力を気にしながら生活したくない
アンペア契約が向いているのは、多くの家電を同時に使う機会が多い人です。特に年間を通じて何度もブレーカーが落ちるような家庭では、実量契約にするとピーク電力が高くなりやすく、基本料金が跳ね上がってしまう可能性があります。
また、家族が多く、電気の使い方を細かくコントロールするのが難しい家庭もアンペア契約の方が安心です。実量契約では常にピーク電力を意識する必要がありますが、家族それぞれが好きなタイミングで家電を使う環境では、ピーク電力を抑えるのは現実的ではないでしょう。
特に小さな子どもがいる家庭や、在宅ワークで日中も電気を使う機会が多い家庭は、無意識に多くの家電を同時使用してしまう可能性が高いため、アンペア契約の方が安心できるかもしれません。
実量契約で電気料金を節約するコツ

実量契約を選んだなら、電気の使い方を工夫することで基本料金を抑えられる可能性があります。
ポイントはピーク電力をいかに低く保つかです。30分間の平均値で判定されるため、消費電力の大きい家電を同時に使わないよう意識するだけでも、かなり効果があります。ここでは、実量契約で電気代を節約するための具体的なコツを紹介していきます。難しく考える必要はなく、ちょっとした工夫で実践できる内容ばかりです。
ピーク電力を抑える具体的な方法
ピーク電力を抑えるには、消費電力の大きい家電を同時に使わないことが基本です。スマートメーターは30分ごとの平均値を計測しているため、使う時間帯を少しずらすだけでピーク電力を下げられます。
特に注意したいのは、エアコンや暖房器具を使っている時間帯です。冷暖房をフル稼働させている状態で、さらに電子レンジやドライヤー、電気ケトルなどを使うと、一気にピーク電力が跳ね上がります。
洗濯乾燥機や食洗機など、タイマー機能がある家電は積極的に活用しましょう。電気の使用量が少ない時間帯に動かすようタイマーをセットすれば、他の家電との同時使用を避けられます。
料理を作りながら洗濯も済ませたいという家事の時短とは少し逆行しますが、電気代を抑えるためには有効な方法ですよ。
家電の使い方で気をつけるポイント
消費電力の大きい家電を知っておくと、ピーク電力のコントロールがしやすくなります。特に注意が必要なのは、熱を発生させる家電です。
浴室乾燥機やドライヤー、電気ケトル、炊飯器、電子レンジ、アイロンなどは消費電力が大きく、これらを同時に使うとピーク電力が一気に上がります。たとえばドライヤーは1200W程度、電気ケトルは1000W程度、電子レンジは1500W程度の消費電力があり、これらを同時に使えば3700Wにもなってしまいます。
使用電力量目安
- 浴室乾燥機(1200〜1400W程度)
- ドライヤー(1000〜1200W程度)
- 電気ケトル(1000〜1300W程度)
- 電子レンジ(1000〜1500W程度)
- アイロン(1000〜1400W程度)
- 炊飯器(炊飯時:1000〜1300W程度)
これらの家電を使うタイミングをずらすだけで、ピーク電力を大幅に下げられます。消費電力の高い家電を知って、賢く使えるようになれば、電気代の節約効果はどんどん上がっていくでしょう。
電力会社の切り替えも検討の価値あり
実量契約で節約するには電気の使い方を工夫するだけでなく、電力会社そのものを見直すのも有効な方法です。電力自由化によって、さまざまな料金プランが登場しており、自分のライフスタイルに合ったプランを選べば、さらに電気代を抑えられる可能性があります。
たとえば基本料金0円のプランを提供している新電力もあります。これらは実質的に実量制と似た仕組みで、使った分だけ電気代を支払う形になっており、電力量料金の単価も一律というシンプルな料金体系が特徴です。
また、時間帯によって電気料金が変わるプランもあります。夜間の電力量料金が割安になるプランであれば、消費電力の大きい家電を夜に使うことで電気代を節約できます。在宅ワークで昼間も電気を使う人、逆に日中は不在が多い人など、生活パターンに合わせてプランを選ぶことが大切です。
電力会社の切り替え自体は、特別な工事も必要なく、基本的に無料でできます。毎月の電気代が家計の負担になっているなら、一度電力会社の見直しを検討してみる価値は十分にあるでしょう。
まとめ
実量契約とアンペア契約の違いは、基本料金が「実績に応じて変動するか、固定か」という点にあります。
実量契約は過去1年間のピーク電力で基本料金が決まるため、電気の使い方次第で節約できる可能性がある一方、うっかり多く使ってしまうと1年間高い料金を払い続けるリスクもあります。
アンペア契約は契約アンペア数で基本料金が固定されるため、料金体系がシンプルで分かりやすいのが特徴です。ただし契約アンペアを超えるとブレーカーが落ちてしまうという制約があります。
どちらが良いかは一概には言えず、自分の生活スタイルや電気の使い方に合わせて判断することが大切です。
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