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最終更新日:2025年10月24日

スマートメーターとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

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スマートメーターとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

マンションの廊下や、一戸建ての外壁。ふと見ると、電気メーターがデジタル表示に変わっていた…。そんな経験、ありませんか?

それが「スマートメーター」です。従来のアナログメーターに代わって、いま全国で急速に普及が進んでいます

この記事では、スマートメーターの基本的な仕組みから、メリット・デメリット、設置方法、さらには上手な活用法まで、わかりやすく解説していきます。「うちにも設置されたけど、何が変わったの?」という疑問をお持ちの方も、これから設置予定の方も、ぜひ参考にしてください。

クラシェルジュ編集部
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スマートメーターとは何か?基本を理解しよう

スマートメーターの定義

スマートメーターとは、ひと言でいえば「通信機能を搭載したデジタル式の電力計」です。

従来のアナログ式メーターが「月に1回の健康診断」だとすれば、スマートメーターは「24時間つけっぱなしの活動量計」のようなもの。家庭で使った電気の量を30分ごとに自動で計測し、そのデータを電力会社に送信します。

これまでのアナログメーターでは、月に1回、検針員さんが各家庭を訪問してメーターの数字を読み取っていました。回転する円盤の回転数から電力使用量を計算する、アナログな仕組みです。

それに対してスマートメーターは、電力使用量をデジタルで計測し、インターネット回線や専用の通信網を使って自動的に電力会社へデータを送ります。検針員さんの訪問は不要になり、より細かく、正確に電気の使用状況を把握できるようになったのです。

経済産業省は、2024年度末までに全国のほぼすべての家庭にスマートメーターを設置することを目標に掲げています。つまり、今後はスマートメーターが「当たり前」の時代になっていくわけです。

スマートメーター普及の現状

「うちの地域はもう設置されてるのかな?」と気になる方も多いでしょう。

実は、2021年3月時点で、全国の約86%の家庭にすでにスマートメーターが設置されています。10軒のうち8〜9軒は、もうスマートメーターになっている計算です。思ったより進んでいると感じませんか?

特に東京電力管内では、2021年3月末の時点で、設置が困難な一部の世帯を除き、ほぼすべての家庭への設置が完了しました。設置台数は約2,840万台にのぼります。

もしあなたの家のメーターがまだアナログ式だったとしても、心配はいりません。メーターには法律で定められた「検定有効期間」(一般的に10年)があり、この期間が満了したタイミングで順次スマートメーターに交換されていきます。遅かれ早かれ、すべての家庭がスマートメーターになる日が来るでしょう。

ちなみに、電力会社を切り替えたり、太陽光発電を導入したりするタイミングでも、スマートメーターへの交換が行われることがあります。詳しくは後ほど「設置について」のセクションで解説しますね。

スマートメーターの仕組みと主な機能

スマートメーターの基本構造

スマートメーター内部

スマートメーターの中には、大きく分けて3つの部品が入っています。まず、家に流れる電気の量を測る「センサー」。次に、そのデータを処理する小さな「コンピューター(マイクロプロセッサ)」。そして、データを電力会社に送る「通信装置」です。

イメージとしては、スマートウォッチに近いかもしれません。センサーで心拍数や歩数を測り、内蔵チップで計算して、スマホにデータを送る。スマートメーターも同じように、電気の使用量を測って、計算して、電力会社に送っているわけです。

従来のアナログメーターは機械式で、回転する円盤と歯車だけのシンプルな構造でした。それに対してスマートメーターはIT機器。だからこそ、これまでにない便利な機能が使えるようになったのです。

通信機能の詳細

スマートメーターの最大の特徴は、なんといっても「通信機能」です。

データの送り方には、主に2つの方式があります。ひとつは「電力線搬送通信(PLC)」。これは、すでに家に来ている電線をそのまま通信回線として使う方法です。新しくケーブルを引く必要がないので、効率的ですね。

もうひとつは「無線通信」。Wi-Fiや携帯電話の回線を使ってデータを送る方式です。電波が届く場所なら、どこでも設置できるのが強みです。

スマートメーターの通信方式

項目電力線搬送通信(PLC)無線通信
通信媒体既存の電力線Wi-Fi/携帯回線
メリット・新規配線不要
・既存インフラ活用
・コスト効率が良い
・設置場所を選ばない
・電波が届けばOK
・柔軟な設置が可能
デメリット・電力線の状態に依存
・ノイズの影響を受ける
・電波の届かない場所は困難
・通信費用が発生
計測頻度30分ごと

どちらの方式でも、30分に1回、自動的に電力使用量のデータが電力会社に送られます。検針員さんが来るのを待つ必要はありません

この「自動送信」のおかげで、電力会社は各家庭の電気使用状況をリアルタイムに近い形で把握できるようになりました。停電が起きたときも、どのエリアで何軒が影響を受けているか、すぐにわかるようになったのです。

内蔵ブレーカー機能

従来のアナログメーターでは、契約アンペア数を超えると、洗面所や廊下の壁にある分電盤のブレーカーが落ちます。暗闇の中、懐中電灯を探して、分電盤まで行って、スイッチを上げる。ちょっと面倒ですよね。

スマートメーターには、このブレーカー機能が本体に内蔵されています。契約アンペアを超えて一時的に停電しても、約10秒後には自動で復旧します。わざわざ分電盤を操作する必要がありません。

ただし、短時間に何度もブレーカーが落ちると、安全のために自動復旧が停止することもあります。その場合は電力会社に連絡が必要ですが、通常の使い方をしていれば、ほとんど心配いりません。

なお、家電の故障や漏電が原因で落ちるブレーカー(漏電ブレーカー、安全ブレーカー)は、従来通り分電盤で操作が必要です。スマートメーターで自動復旧するのは「契約アンペアオーバー」の場合だけと覚えておきましょう。

HEMS連携機能

「HEMS(ヘムス)」とは、 Home Energy Management System(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の略で、家庭のエネルギーを管理するシステムのことです。

スマートメーターとHEMSを連携させると、もっと詳しく電気の使い方が見えるようになります。たとえば、「リビングのエアコンで○○kWh」「キッチンの冷蔵庫で○○kWh」といった具合に、部屋ごと、家電ごとの電力使用量を把握できるようになります。

スマートフォンのアプリで、リアルタイムの電力使用量をチェックすることも可能。外出先から「あれ、今日は電気使いすぎてるな。エアコン消し忘れたかも」なんてことにも気づけます。

HEMSの導入には別途機器の購入が必要ですが、本格的に省エネに取り組みたい方や、太陽光発電を設置している方には、検討する価値があるでしょう。スマートメーターは、そのための「土台」になってくれる存在です。

スマートメーターのメリット

消費者にとってのメリット

電気使用量の可視化

スマートメーターを使えば、30分ごとの電力使用量をチェックできます。電力会社のウェブサイトやアプリにログインすれば、「昨日の午後2時から4時、電気をたくさん使っていたな」といった具合に、時間帯別の使用状況が一目瞭然です。

たとえば、真夏の昼間に使用量が急増していたら、エアコンの設定温度を見直すきっかけになります。深夜に意外と電気を使っていたら、待機電力を減らす工夫ができるかもしれません。月に1回の請求書だけではわからなかった「電気の使い方のクセ」が見えてくるのです。

電気料金プランの最適化

スマートメーターの登場で、電力会社は時間帯別の料金プランを提供できるようになりました。

たとえば、夜間の電気料金が安くなるプラン。日中は仕事で家にいないけど、夜は家族全員が集まる…そんなご家庭なら、夜間に洗濯機や食洗機を回すことで、電気代を節約できます。逆に、在宅勤務で昼間も家にいることが多いなら、日中の料金が安いプランを選ぶのが賢い選択です。

従来のアナログメーターでは、「月に1回、合計で○○kWh使いました」という情報しかわかりませんでした。スマートメーターは30分ごとに計測するからこそ、こうした柔軟な料金プランが実現できるのです。

しかも、契約アンペア数の変更も、電力会社が遠隔操作でできるようになりました。以前なら工事が必要で、立ち会いも求められましたが、今は電話やネットで手続きするだけ。引っ越しや家族構成の変化に合わせて、気軽にプランを見直せるのは大きなメリットですね。

利便性の向上

スマートメーターはすべて自動でデータが送信されるので、検針員さんの訪問が不要になりました。一人暮らしの女性や、小さなお子さんがいるご家庭にとっては、安心材料のひとつになるでしょう。

また、契約アンペアを超えてブレーカーが落ちても、約10秒で自動復旧するのも地味に便利です。真っ暗な中で分電盤を探す手間がなくなりました。夜中に突然停電しても、すぐに明かりが戻るのは心強いですね。

見守りサービスへの活用

実は、スマートメーターが「家族の安否確認」にも使えます。

離れて暮らす高齢の親御さんがいる方にとって、「ちゃんと元気にしているかな」という心配は尽きません。毎日電話するわけにもいかず、かといって様子がわからないのも不安…。

一部の電力会社では、スマートメーターの電力使用データを活用した見守りサービスを提供しています。いつもなら朝7時から電気を使い始めるのに、今日は夕方まで動きがない。そんな「いつもと違う」サインをキャッチして、登録した家族にメールやアプリで通知してくれるのです。

もちろん、プライバシーに配慮した仕組みになっていますし、異常を検知したときは専門スタッフが訪問するサービスもあります。スマートメーターが、さりげなく家族を見守ってくれる。そんな使い方もあります。

電力会社にとってのメリット

消費者だけでなく、電力会社にも大きなメリットがあります。

まず、検針業務の効率化です。これまで何千人もの検針員さんが毎月各家庭を回っていましたが、スマートメーターならその人件費が大幅に削減できます。また、検針ミスや読み取りミスもなくなり、より正確な請求が可能になりました。

さらに、30分ごとの詳細なデータがあれば、電力需要のピークを予測しやすくなります。「明日の午後2時ごろ、気温が35度を超えるから、エアコン需要で電力使用量が急増しそうだ」といった具合に、先回りして電力供給の準備ができるわけです。

停電時の対応も素早くなりました。どのエリアで何軒が停電しているか、リアルタイムで把握できるので、復旧作業を効率的に進められます。結果として、私たち消費者も恩恵を受けているのですね。

社会全体へのメリット

スマートメーターは、社会全体のエネルギー効率化にも貢献しています。

電力の需要と供給のバランスが取れていないと、大規模停電のリスクが高まります。スマートメーターがあれば、電力会社は需要の変動を細かく把握できるため、無駄のない電力供給が可能になります。発電所を必要以上に稼働させる必要もなくなり、結果的にCO2排出量の削減にもつながります。

また、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーは、天候によって発電量が変動します。スマートメーターのデータを活用すれば、こうした変動にも柔軟に対応しやすくなり、再エネの導入拡大を後押しできるでしょう。

一軒一軒の小さなデータが集まることで、社会全体のエネルギー管理が最適化される。スマートメーターは、そんな持続可能な社会づくりの基盤にもなっているのです。

スマートメーターのデメリットと対策

電磁波への懸念

「通信機能があるってことは、電磁波が出てるんじゃないの?健康への影響は大丈夫?」という不安の声も少なくありません。

たしかに、スマートメーターは無線通信でデータを送るため、電波を発しています。電磁波過敏症という言葉もあり、心配に思う気持ちは理解できます。

ただし、WHO(世界保健機関)の健康リスク評価では、国際的なガイドラインを守っている限り、短期的にも長期的にも健康への影響はないとされています。スマートメーターから出る電波の強さは、スマホを使うときよりもずっと弱いレベルです。

また、総務省の指針に基づいて設計されているため、人体や電気機器への影響が出ないよう配慮されています。各電力会社も、電磁波に関する安全性については慎重に対応しているので、過度に心配する必要はなさそうです。

それでもどうしても気になるという方は、契約している電力会社に問い合わせてみるのもいいでしょう。丁寧に説明してもらえるはずです。

プライバシーとセキュリティ

「電力使用のデータが送られるってことは、生活パターンが筒抜けになるのでは?」という不安も、よく耳にします。

正直なところ、電力使用量のデータからは、ある程度の生活パターンを推測することは可能です。朝7時に電気を使い始める、夜10時以降は使用量が減る…といった情報から、在宅時間帯がわかってしまう可能性はゼロではありません。

ただし、これに対しては厳格なセキュリティ対策が講じられています。送配電事業者は、国際標準に準拠した高度な暗号化技術を採用しており、データの漏洩や不正利用を防ぐ仕組みを整えています。

たとえば東京電力パワーグリッドでは、スマートメーターオペレーションセンターを設置し、24時間365日体制でセキュリティ監視を実施しています。新たな脅威が発生した場合も、迅速に対応できる体制が整っているのです。

また、電力データの取り扱いには、電気事業法に基づく厳しいルールがあります。第三者に提供する場合は、必ず契約者の同意が必要です。勝手に情報が流出することはありません。

とはいえ、完璧なセキュリティシステムは存在しないのも事実。不安がある方は、どのようなセキュリティ対策が取られているか、電力会社に確認してみることをおすすめします。

初期コストの負担

スマートメーターの設置に関しては、基本的に無料です。メーター本体の購入費用も、工事費用も、消費者が負担する必要はありません。

なぜかというと、スマートメーターの所有者は送配電事業者(電力会社)だからです。あなたの家の壁についているメーターも、実は電力会社のもの。だから、交換費用も電力会社が負担するのです。

ただし、ごく稀に追加費用が発生するケースもあります。たとえば、メーターの設置場所が特殊で、通常の工事では対応できない場合。配線の大幅な変更が必要になるなど、特別な工事が発生すると、その分の費用を請求されることがあります。

とはいえ、一般的な住宅であれば、こうした追加費用が発生することはほとんどありません。もし費用が発生する可能性がある場合は、事前に電力会社から説明があるので、突然高額な請求が来ることはないでしょう。

技術的な課題

スマートメーターはIT機器なので、通信障害や機器の故障といった技術的なトラブルが起きる可能性もゼロではありません。

たとえば、通信ネットワークに不具合が生じると、データの送信が一時的にストップすることがあります。また、機器自体が故障すれば、交換が必要になるでしょう。従来のアナログメーターは機械式でシンプルだったぶん、故障しにくかったという面もあります。

ただし、電力会社も、こうした技術的な課題には常に対応しています。定期的なメンテナンスや、システムの監視体制を整えることで、トラブルを未然に防いだり、迅速に復旧したりできるよう努めています。

万が一、スマートメーターに異常が見られたら、すぐに電力会社に連絡してください。専門のスタッフが対応してくれます。消費者側で特別な対応が必要になることは、ほとんどありません。

技術は日々進化しています。今後、さらに安定性の高いスマートメーターが登場する可能性も十分にあるでしょう。

スマートメーターの表示の見方

液晶画面に表示される情報

スマートメーターの液晶画面には、主に2つの情報が表示されます。ひとつは「電気使用量」、もうひとつは「売電量」(太陽光発電を設置している家庭のみ)です。この2つが、約10秒ごとに自動で切り替わる仕組みになっています。

電気使用量は、「kWh(キロワットアワー)」という単位で表示されます。たとえば「164.92kWh」と表示されていたら、検針が始まってから今までに164.92キロワットアワーの電気を使った、という意味です。

この数値は累計なので、「前回見たときは150kWhだったのに、今日見たら165kWhになってる。ということは、この期間で15kWh使ったんだな」という計算ができます。日々の使用量を把握したい方は、定期的にチェックしてメモしておくといいでしょう。

太陽光発電を設置しているご家庭の場合、売電量も表示されます。このときは、画面の右側に「←」マークが表示されるので、売電量だとわかる仕組みです。自宅で発電した電気を、どれだけ電力会社に売っているかが一目瞭然ですね。

動作状態の確認方法

スマートメーターの液晶画面をよく見ると、「●」マークがついていることに気づくはずです。このマーク、実は重要な意味があります。

スマートメーター液晶表示パターン

●マークの位置状態意味

(上側)
順動作電気を買っている状態
(電力会社から電気の供給を受けている)
⇒ 通常の状態
(下側)
逆動作電気を売っている状態
(太陽光発電の余剰電力を売電中)
⇒ 太陽光パネル設置家庭のみ

両方電気を使っていない状態
(買電も売電もなし)
⇒ 長期不在時など
💡 ポイント
旅行から帰ってきて上下両方に●マークがあれば、「ちゃんとブレーカーを落として出かけたんだな」と確認できます。

●マークが画面の上側(「順動作」の位置)にあるときは、「電気を買っている状態」。つまり、通常通り電力会社から電気を供給してもらっている状態です。ほとんどの時間帯は、この表示になっているでしょう。

逆に、●マークが画面の下側(「逆動作」の位置)にあるときは、「電気を売っている状態」。太陽光発電で作った電気が余って、電力会社に売電している状態を示しています。日中、天気のいい日は、この表示になることが多いですね。

そして、上下両方に●マークがあるときは、「電気をまったく使っていない状態」。たとえば、長期間家を空けているときなどは、この表示になります。旅行から帰ってきて、この表示になっていたら、「ちゃんとブレーカーを落としてきたんだな」と確認できるわけです。

普段はあまり気にする必要はありませんが、「なんか電気代高いな」と思ったときに、スマートメーターの表示を確認してみると、何かヒントが見つかるかもしれません。ちょっとした電気の使い方の見える化ツールとして、活用してみてください。

スマートメーターの設置について

スマートメーターに交換されるタイミング

スマートメーターへの交換は、主に4つのタイミングで行われます。

スマートメーター交換のタイミング

タイミング詳細頻度費用
① 検定期間満了メーターの法定使用期限(通常10年)が終了したタイミングで自動的に交換
⇒ 最も一般的なパターン
⭐⭐⭐
最多
無料
② 電力会社切替新電力など別の電力会社へ契約を切り替える際に交換
⇒ 料金プラン見直しのチャンス
⭐⭐
多い
無料
③ HEMS導入家庭用エネルギー管理システム(HEMS)を設置する際に交換
⇒ 本格的な省エネ対策をする方

少ない
無料
④ 新築時住宅を新築する際、最初からスマートメーターを設置
⇒ 現在はほぼ標準装備
⭐⭐
標準
無料
💡 ポイント
どのタイミングでも基本的に費用は無料です。特別な工事が必要な場合のみ、事前に説明があります。

まず最も一般的なのが、従来のメーターの「検定有効期間」が満了したとき。電力メーターには、法律で使用期限が定められており、一般的には10年です。この期間が終わると、自動的にスマートメーターに交換されます。特に手続きは不要で、電力会社から事前に通知が来るので安心してください。

次に、電力会社を切り替えるタイミング。2016年の電力自由化以降、新電力への乗り換えが可能になりましたが、この切り替え時にスマートメーターへの交換も一緒に行われることが多いです。「電気代を見直したい」と考えている方は、このタイミングが交換のチャンスかもしれません。

3つ目は、HEMSなどのエネルギー管理機器を導入するとき。HEMSを使うにはスマートメーターが必須なので、機器の設置と同時に交換されます。

最後に、家を新築するタイミング。最近の新築住宅では、最初からスマートメーターが設置されるのが標準になっています。これから家を建てる予定がある方は、自然とスマートメーターが付いてくるはずです。

どのタイミングでも、基本的に費用はかかりません。「そのうち順番が回ってくる」くらいの気持ちで、のんびり待っていて大丈夫ですよ。

スマートメーター設置の流れ

設置前の準備

基本的には、立ち会い不要です。スマートメーターの交換工事は屋外で行われるため、家にいなくても作業できます。仕事で留守にしていても問題ありません。

ただし、室内の分電盤にあるアンペアブレーカーを取り外す必要がある場合は、室内への立ち入りが必要になるため、立ち会いをお願いされることがあります。その場合は、事前に電力会社や工事会社から連絡が来るので、スケジュールを調整してください。

また、工事中に短時間(5分程度)の停電が発生することもあります。在宅勤務でパソコンを使っている、冷蔵庫の中に要冷蔵の薬がある…といった場合は、事前に対応を考えておくといいでしょう。停電の可能性がある場合も、必ず事前に連絡があるので、慌てることはありません。

設置工事の実施

工事当日、作業員が来て古いメーターを取り外し、新しいスマートメーターを取り付けます。作業時間は通常15分から30分程度。あっという間に終わります。

工事は電力会社が委託した送配電事業者や専門の工事会社が行います。作業員は身分証を携帯しているので、不審に思ったら確認してもいいでしょう。

立ち会いが不要な場合、工事が終わったあとにポストに「工事完了のお知らせ」が入っていることが多いです。「あれ、いつの間に終わってたの?」というくらい、スムーズに進むことがほとんどですよ。

設置後の確認事項

工事が終わったら、念のためスマートメーターの液晶画面を確認してみましょう。数字が表示されていれば、正常に動作している証拠です。

また、室内の分電盤も確認してください。スマートメーターにブレーカー機能が内蔵されているため、アンペアブレーカーが撤去されていることもあります。「ブレーカーがなくなってる!」と驚くかもしれませんが、これは正常な状態なので心配いりません。

データの送信開始は、工事完了後すぐに始まります。特に設定作業などは必要なく、自動的に電力会社にデータが送られるようになります。あなたは何もしなくていいんです。楽ですね。

スマートメーター設置にかかる費用

改めてお伝えしますが、スマートメーターの設置費用は基本的に無料です。

メーター本体の価格、工事費用、すべて送配電事業者(電力会社)が負担します。スマートメーターは電力会社の所有物なので、消費者が購入する必要はありません。引っ越しで退去するときも、そのまま置いていけばOKです。

ただし、例外もあります。メーターの設置場所が特殊で、通常の工事では対応できない場合。たとえば、配線の大幅な変更が必要になる、特別な工事が必要になる…といったケースでは、追加費用を請求される可能性があります。

とはいえ、一般的な戸建住宅やマンションであれば、こうした追加費用が発生することはまずありません。万が一費用が発生する場合は、必ず事前に説明があるので、突然高額な請求が来ることはないでしょう。

「無料で設置できるなら、早くやってほしい」と思う方もいるかもしれませんね。もし急いで設置したい事情がある場合は、契約している電力会社に相談してみてください。状況によっては、優先的に対応してもらえることもあるかもしれません。

スマートメーターを活用した新サービス

電力データ活用サービス

スマートメーターがあれば、ただ電気を使うだけじゃなく、もっと賢く節電できるようになります。

2023年10月から、電気事業法の改正により、消費者の同意を得たうえで、地方自治体や審査をクリアした企業が電力データを活用できるようになりました。これにより、さまざまな便利なサービスが登場しています。

たとえば、電力比較サイト「エネチェンジ」が提供する「マイエネルギー」というサービス。会員登録すると、自分の電力使用状況を詳しく確認できるだけでなく、使用量が急に増えたときにアラートで知らせてくれたり、今の使い方に最適な電気料金プランを自動で提案してくれたりします。

「どのプランが一番お得か、自分で調べるのは面倒…」という方にとっては、こうしたサービスが心強い味方になるでしょう。電力データを上手に活用すれば、無理なく節電できて、電気代の節約にもつながるのです。

デマンドレスポンス

「デマンドレスポンス」とは、簡単にいえば「電気が足りないときに、みんなで協力して節電しましょう」という取り組みです。

夏の猛暑日、エアコンをフル稼働させる家庭が一斉に増えると、電力需要が急増します。このままでは電力が足りなくなる…そんなとき、電力会社から「今日の午後2時から4時、できるだけ節電してください」というお願いが来ることがあります。

これに協力して、その時間帯にエアコンの設定温度を上げたり、洗濯機の使用を避けたりすると、報酬(電気料金の割引や、ポイントなど)がもらえる仕組み。これが「インセンティブ型デマンドレスポンス」です。

スマートメーターがあれば、実際にどれだけ節電したかを正確に測定できるため、こうした取り組みに参加しやすくなります。「ちょっと協力するだけで、電気代が安くなるならいいかも」と思いませんか?

すべての電力会社がこのサービスを提供しているわけではありませんが、今後広がっていく可能性は高いでしょう。

防災・減災への活用

地震や台風で停電が発生したとき、従来のアナログメーターでは、どのエリアで何軒が停電しているか、正確に把握するのが難しかったんです。住民からの通報を待つか、作業員が現地に行って確認するしかありませんでした。

スマートメーターなら、リアルタイムで「このエリアの○○軒が停電中」という情報を把握できます。電力会社は、どこから復旧作業を始めればいいか、効率的に判断できるようになりました。結果として、停電からの復旧が早くなるんです。

また、自治体が電力データを活用すれば、より緻密な防災計画を立てられるようになります。「このエリアは高齢者が多く、夏場の停電が長引くと熱中症のリスクが高い。優先的に復旧させよう」といった判断も可能になるでしょう。

災害の多い日本だからこそ、スマートメーターの防災面での価値は大きいといえます。

スマートメーター導入時のよくある質問

スマートメーター導入時のよくある質問

質問回答のポイント
設置を拒否できる?基本的には困難(国の方針)
ただし物理的に設置不可の場合は例外あり
今すぐ交換したい管轄の送配電事業者に問い合わせ
電力会社切り替えで早期設置も可能
アナログのままでもOK?当面は問題なし
ただし検定期間満了時に自動交換
電気代は安くなる?自動的には安くならない
活用次第で節約可能(プラン見直し、見える化など)
設置費用は?基本的に無料
(特殊工事が必要な場合のみ有料の可能性)
立ち会いは必要?基本的に不要(屋外工事のため)
室内作業がある場合のみ必要

設置を拒否することはできる?

結論からいうと、基本的には全世帯への導入が国の方針として進められているため、拒否することは難しいのが現状です。スマートメーターは、電力の安定供給や効率的な運用のために必要なインフラとして位置づけられているんです。

ただし、物理的にスマートメーターの設置が困難な場所にお住まいの場合(山間部で通信環境が整っていない、建物の構造上設置が難しいなど)は、例外的に従来のメーターのまま継続されることもあります。

もし電磁波やプライバシーの面で心配なことがあれば、電力会社に相談してみてください。どのような対策が取られているか、丁寧に説明してもらえるはずです。不安を解消してから導入するのが一番ですね。

今すぐスマートメーターに変えたい場合は?

まずは、お住まいの地域を管轄する送配電事業者(大手電力会社)に問い合わせてみてください。東京電力管内なら東京電力パワーグリッド、関西電力管内なら関西電力送配電、といった具合です。契約している小売電力会社が新電力でも、設置を担当するのは地域の送配電事業者なので、そちらに連絡するのが正解です。

スマートメーターへの交換を早めたい理由がある場合(HEMSを導入したい、電力会社を切り替えたいなど)は、そのことも伝えてください。状況によっては、優先的に対応してもらえる可能性もあります。

ただし、地域によっては交換のスケジュールが決まっている場合もあるため、必ずしもすぐに対応してもらえるとは限りません。焦らず、担当者の説明をよく聞いてみてくださいね。

アナログメーターのままでも問題ない?

当面は問題ありません。従来のアナログメーターでも、電気は普通に使えますし、検針員さんが月に1回来て検針してくれます。生活に支障が出ることはないので、安心してください。

ただし、メーターには10年の検定有効期間があるため、いずれ交換のタイミングは必ず来ます。その際は自動的にスマートメーターに切り替わることになるでしょう。

また、電力会社を切り替えたいと思ったときに、「スマートメーターがないと契約できないプラン」もあります。時間帯別料金プランなど、スマートメーター前提のサービスは今後も増えていくはず。選択肢を広げる意味でも、早めに交換しておくのも悪くないかもしれませんね。

スマートメーターで電気代は安くなる?

スマートメーターに交換しただけで、電気代が自動的に安くなるわけではありません。メーター自体は計測装置に過ぎないので、料金には直接影響しないんです。

ただし、スマートメーターを「上手に活用」すれば、結果的に電気代の節約につながる可能性はあります。

たとえば、電力使用量を見える化して、無駄な電気の使い方を見直す時間帯別料金プランに切り替えて、電気料金が安い時間帯に家事を集中させるHEMSと連携して、部屋ごと、家電ごとの電力消費を把握し、効率的に節電する。こうした工夫をすることで、電気代を削減できるんです。

つまり、スマートメーターは「電気代を安くするためのツール」ではなく、「電気代を安くするための情報を提供してくれる道具」というわけです。活用するかどうかは、あなた次第。せっかくの機能を使わない手はないですよね。

まずは、電力会社のウェブサイトやアプリで、自分の電力使用状況をチェックすることから始めてみませんか?思わぬ発見があるかもしれませんよ。

まとめ:スマートメーターで賢く電気を使おう

スマートメーターは、ただの「新しい電気メーター」ではありません。30分ごとに電力使用量を計測し、電力会社と通信することで、私たちの暮らしをより便利に、より効率的にしてくれる存在です。

電気の使い方が見える化されることで、無理のない節電ができるようになります。時間帯別の料金プランを活用すれば、生活スタイルに合わせて電気代を削減できるかもしれません。離れた家族の見守りや、災害時の迅速な復旧にも役立つ。そんな多面的な価値を持っているんです。

まずは、ご自宅のメーターをちょっと確認してみてください。もしすでにスマートメーターになっているなら、電力会社のウェブサイトやアプリで、電力使用状況をチェックしてみるのもいいでしょう。まだアナログメーターなら、電力会社の切り替えやプランの見直しを検討するタイミングかもしれませんね。

スマートメーターは、これからの電気との付き合い方を変えてくれる、小さいけれど大きな一歩です。上手に活用して、賢く、快適に、電気を使っていきましょう。

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